がん検診では科学的根拠に基づいて、効果があると考えられている検査の内容があります。胃がん検診は男女ともに、年齢40歳以上の方が年に1度受診することが推奨されています。胃がん検診の方法は、一般的なものとして胃X線検査や胃内視鏡検査、ペプシノゲン検査、ヘリコバクターピロリ抗体検査というものがあります。科学的に効果があると判定されている検査は、胃X線検査のみとなっており、他の検査内容については効果が不明なものとなります。
胃X線検査はバリウムという造影剤と発泡剤を飲むことで、胃の内部の粘膜について観察を行う検査です。胃がんについて見つけることが目的となりますが、良性の病気として潰瘍やポリープについても発見することが可能です。胃X線検査における、がんであるかどうか正しく判断ができる精度は70%から80%の確率となっています。検査の当日には朝食を食べてはいけないなどの、検査上の注意事項があります。
胃内視鏡検査は、内視鏡を使用することによって直接的に観察を行う検査です。内視鏡を口から挿入する検査になりますので、準備として鎮痙剤や喉の麻酔を必要とします。胃内視鏡検査においては胃の小さな病変における確認が可能で、胃X線検査でがんが疑われたときの精密検査として用いられています。ペプシノゲン検査は血液検査によって、胃の粘膜の老化度を確認する検査となります。
胃がんを直接的に発見できる検査ではなく、委縮が進んでいる粘膜を発見することで胃がんの発見につなげることができます。ヘリコバクターピロリ抗体検査は、血液検査でヘリコバクターピロリ菌に感染しているかを確認する検査となります。